PEAK~部活動戦略~【HIIT】

「HIITって知ってる?」
「えいちあいあいてぃ?下ネタかよ!」
「違うよ!Hの所にだけ反応するなって!」
「おいしいの?」
「食べ物じゃないって!HIITっていうのは、ハイインテンションインターバルトレーニングの略称で、例えば20秒全力ダッシュ10秒休憩を8セット繰り返すような強度の高い短時間トレーニングのことを言う。ここまで引用。」
「Wikipediaかよ。へえーそんなキツイの?」
「試しにやってみたんだよ。」
「うん。」
「川の向こうに死んだおじいちゃんが見えた。」
「マジ?」
「父方の。」
「聞いてねえよ。」
「Come hereって言ってた。」
「殺されかけてんじゃねえか。というかアメリカ人なのはお前の母方だろ!」
「やってみ。死ぬから。」
真面目な顔で言うロバートを見遣り、リクは少しの懐疑心を持ちながらも藁にもすがる思いで、現状を変えるために何でも試してみようと心に誓った。
「やっぱ練習後がいいかな?」
「確かバスケ部は月曜が練習休みだったよね?」
「ああ。」
「なら日曜の練習か試合後、週一から始めた方がいいかな。」
「え、そんなんでええの?」
「このトレーニングは体への負担が大きいんだよ。研究でも週2,3回でいいって言われてる。ましてリクは激しい練習を別にやってるわけだから。」
「それなら気楽でいいかな。慣れたら増やす感じだろ?」
「そうそう。じゃあオレ、日曜に学校来るよ。HIITのコーチとして。」
そう言うと一瞬悪魔のような笑みを浮かべた・・・ような気がした。
「・・・お前、何か考えてるだろ?」
「いやいや、リクがちゃんとトレーニング出来るように見るだけだよ。ちゃんとね。」
〈日曜日〉
なぜか練習を見学していたロバート付き添いの元、練習後にHIITを行った。内容はバーピーだった。意識が飛んだ。
「・・・なるほど、、、ぜえ、、ぜえ、、、これは死ぬわ、、、。」
「でしょ?おじいちゃん見える?」
「昔飼ってた犬が見える。」
「ああ、ケルベロスね。」
「小太郎だよ!そんな地獄の門番みたいな名前付けねえよ!」
週一のHIITとはいえ1か月後、つまり4回しか行っていないが、リクは練習についていけるようにはなった。特に呼吸の苦しさがなくなっている。恐らく心肺機能が劇的に向上したのだろう。そのことに感謝をしつつ、ロバートに聞きたいことがあった。
つづきはコチラ。
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