2023-12

物語

阿吽香

「好きな人が出来たの。」席についてすぐに話を切り出す私を、彼は静かな目で見ていた。周りは騒がしくなく、かといって静寂でもない。緩やかな喧噪と、暖かなコーヒーの香りが周囲を満たしていた。しばらく沈黙が続いていたが、この小さな喫茶店の唯一のウエ...