PEAK~部活動戦略~part7

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PEAK~部活動戦略~【合宿】

PEAK~部活動戦略~part7

「合宿は3部錬でしょ?」

「ああ、午前、午後、あと夜のシューティング1時間。ゲンナリするよ。」

「なら、合宿中はHIITは止めた方がいいね。オーバートレーニングになる。それに動画を観る暇もなさそうだね。」

「ああ、そうだな。さすがにシンドイ。」

「そこで一つ提案があるんだ。」

マズイ、あの笑顔だ。

「毎回の実践形式の練習の時、1つだけ今までやったことの無い、もしくは苦手にしているスキルや戦術を挑戦してほしいんだ。」

「毎回の練習・・・1つでいいのか?」

「うん、沢山のことを同時に挑戦すると、今までの感覚と違い過ぎて上手くいかないし、モチベーションも下がっちゃうからね。コンフォートゾーンから飛び出す時は少しずつだよ。」

「こんふぉーとぞーん?」

「ああ、英語赤点君は気にしなくていいから。」

「赤点は免れたわ!!!その節はありがとうございます!(怒)」

「効率的に能力を向上させるためには、自分が心地よくプレー出来ている状態から抜け出して、少しだけ難易度の高い事に挑戦することが必要なんだ。それがコンフォートゾーンから飛び出すってことなんだけど、この時に重要なのが練習が具体的であるってことなんだよ。」

「あー、なるほど。だから1つだけを練習でやってみるってことか。」

「そう、物分かり早いね。珍しいじゃん。」

「褒めるかけなすか、どっちかにしようか?」

「珍しいじゃん。」

「けなすを取りやがった!?」

「合宿は限界まで追い込まれるだろうからね。だからこそコンフォートゾーンから飛び出し易いと思うよ。これはチャンスなんだよ。分かるかい、ファウスト?」

「お前、やっぱり悪魔だったのか!?」

「君がゲーテを知ってるとは、日本の国語教育も捨てたものじゃないね。」

「それって褒めてる?褒めてるんだよな!?」

「珍しいじゃん。」

「うるせーーー!」

合宿に入り毎日追い込んだ練習が行われる中、リクはメフィストフェレスの指示通り毎回の練習中、1つ新しいことにトライし続けた。正直、練習が激しすぎて「余裕ないからやめよう」と思ったことは何度もあったが、体育館の2階の隅からカメラを回し続ける悪魔が目に入り、仕方なくやったところもある。当然、自分にとって難易度の少し高いことをやるわけだからミスも増える。そのたびに監督やチームメイトから声が飛んでくるので、ミスを謝罪しつつプレッシャーには強くなった。そういう時ロバートを見遣ると、顔に笑みが張り付いている。クソが。

合宿自体はキツいが楽しいもので、今までよりもチームメイトとの仲も深まった。ただ、なぜか日々合宿所に入り込んでくるロバートの方が、オレよりも皆と親しくしているのは気のせいのはずだ・・・そうに違いない。かんとくー、部外者が入り込んでますよー!

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